新型コロナの風景・東京③ (2020年4月11日)

 前回のブログを書いたのは2週間ほど前になるだろうか。新型コロナウィルスの恐怖のなかで、東京都民は薄氷にヒビが入ってきていることに気づいていると書いた。

しかし、ここ数日は、感染者が最高数を更新している。全国的に見れば感染者数は

6000人を超えた。既に、氷は割れたのだと思う。今、東京都民は落下しながら激しい空気抵抗を強く受けている。落下する場所はどこなのか?

 イタリアやニューヨークのように手のつけられないほどの死者が溢れる街の上なのか?それともこれまで、何かと「日本の奇跡」と言われてきた死亡者数の少ない不思議な街になるのか?日本国民は勿論、後者を期待しているが、海外の人々は、あんなに「勝手に動き回って、他者と接触を繰り返している日本人」が、救われるはずがないと、いつ、感染爆発をするのかというように固唾を飲んで日本人の様子を見ている。

 どうなるかは誰にも分からない。このウィルスのことは本当に分からないことだらけなのだ。当初は、普通の風邪のように暖かくなれば、流行がストップすると思われていた。しかし、現在の勢いを見ていたら、それは全く関係ないようようだ。悪い予想をすると、その通りになっていくのがこのウィルス。

 悪い予想は、本当は、そうでなかったとホッと胸を撫でる時のために用意することが多いが、今回のウィルスについては、それが皆、期待はずれで、もっと重い気持ちになっていくことの連続である。

こんなことは、本当に今までなかった。こうなってみると、過去の平凡な日々が本当はとても輝いていたんだと改めて思う。

このウィルスの喧騒の後に来る世界とは、どんな世界なのだろうか。