新型コロナの風景⑧ 12月22日 東京 銀座 サイレントクリスマス 医療崩壊

新型コロナの嵐は治るどころか、吹き荒れるようになってきた。その嵐が見えないだけにいつもと変わらない銀座の風景の中で人混みに紛れて歩いていると、もうすぐクリスマスということを忘れていたことに気が付いた。いつもの年なら、あちらこちらでクリスマスソングが聞こえてくるのだが今年は控えめである。

それに変わってイルミネーションが美しく彩られている。サイレントクリスマス。寒い中でその光を見ていると、子供の頃に山の頂上で静かにミルキーウエイを眺めた時の気持ちに近いもを感じた。

 街を歩いている人々の服装も何となく地味に感じる。今まであまり意識したことがなかったけれど、バブル期を知っている自分からしたら、いつの間にか若者がオシャレをしなくなってしまったと感じ思わず考えてしまった。

ピアスをする人も少なくなっている。昔だったら、ピアスくらい付けていないとオシャレセンスのない人と思われるような気がした。だから無理につけることもあった。だけど、今の若者はそういった流行や人目に左右されない。身の丈にあったオシャレをする。というよりも、そういうことに価値を見出せなくなったという方が正しいのかも知れない。オシャレの価値観も急速に変わっている。特に女性の靴には、大きな変化があった。以前なら、銀座にスニーカーを履いてくる人は殆ど見かけなかった。

殆どの女性はパンプスが一般的でつま先立てて、腰高にしてあるくことが普通のことだったと思う。

 テレビをつければ医療崩壊のことが大々的に挙げられている。医療は最後のセイフティネット。医療が崩壊したら他の疾患にかかっても受診できないで命の危機に晒されてしまうかもしれないという恐怖。だから皆さん、絶対に外には出ないでくださいと訴えかける。

 医療を守るために億という人の動きを一斉に止めること。しかし、実際、そうしたことの後に起こる悲惨。

 豊かな時代からずっと続いていた最高水準の医療。それはとても素晴らしいことである。それをどこまで続けていくのかということになるのだろうか。