新型コロナの風景No.11  さよならイトシアの鮮や一夜飲食店 2021 1月3日

穏やかな三が日が続いている。テレビさえ付けなければ、平穏な日常のなかにいるような気がする。そうした中でも新型コロナは着々と感染者数を増加させている。12月31日には東京都の感染者数が一気に1300人を超えてしまった。

でも、窓の外から差し込む日の光は本当に和らかい。

テレビ番組はお笑いか昔のテレビドラマか、あるいは、街を歩くだけの取材形式のものばかりだ。何も笑えない。昔なら正月のテレビ番組は威厳ある作家や評論家などの有識者が、その年を思う話がされてそれを厳かな気持ちで聞いていた。そうした方々の話は印象的で本当に今年一年をしっかりと乗り切っていかなければという強い気持ちになれた。

しかし、そういった方々の姿が見えない。彼らはどこへ行ってしまったのだろうか?

そうか、今の世の中に有識者や作家と呼べる先見の明を持っている人はもういないのかもしれない。今、存在する人々はお笑い芸人か、オタクか、世の中を批判する人々か?

そんなテレビを見ていると厳かな気持ちではなく、歯を食いしばって耐えるしかないのかも知れないという気持ちになる。

そういえば、年末に寂しさを感じた。仕事がある日のランチに利用させていただいていた有楽町のイトシアにある「鮮夜一夜」のお店が閉店すると聞いた。ここは、個室でとても贅沢な感じで一人ランチが食べられるお気に入りの店だった。

聞いた時、私は思わず店員さんに「本当に閉店になってしまうのですか?」と食いついた。

店員さんは、無表情で「そうです」とサクサクと閉店の準備をしているように感じた。

私は、その時、「ああ、ここもまた無表情…」なんだなと思った。

人間、本当に悲しい時は、嘆いたり悲しい顔をするよりも無表情…」になるのかも知れない。

しかし、去っていく店ばかりではない。よくみると、新しく開店する店もある。これからの店は一人で楽しめる個室タイプの店がいいなあ、と勝手なことを考えているのは私だけなのだろうか?